三人の教皇が『聖人』に!!

3人の教皇が「聖人」に‼
教皇フランシスコは、10月14日(日)、シノドス開催中にミサを捧げられ、この中で、教皇パウロ6世をはじめ、オスカル・ロメロ大司教ら7人を列聖されました。すでに、同教皇は2014年に教皇ヨハネ23世と教皇ヨハネ・パウロ2世を「聖人」に列聖されました。歴代の法王2人が同時に聖人にあげられたのは初めてのことで、全世界の教会に大きな喜びをもたらしました。
 聖人に列聖されたこの三人の教皇に共通することは第二バチカン公会議に関わり、これを推進されて来たことです。とくに聖ヨハネ23世は1958年、76歳で教皇に選出され、選出時から過去200年の中では最高齢であり、短期間の「つなぎの教皇」に過ぎないと考えられ、実際にもその在位期間は5年に満たない短いものでしたが、第2バチカン公会議の実施を指示して世界を驚かせました。彼は教皇としてエキュメニズム(教会一致)への情熱を示し、1500年代以来、初めて英国教会大主教をバチカンに迎え、正教会へも公式メッセージを送られました。また、東西冷戦の解決を模索し、1962年公会議が開催されたその直後の「キューバ危機」においても米ソ双方の仲介に尽力された。対話の大切さを説き、温かい人柄で世界中から慕われ、「平和の教皇」といわれ、1963年回勅『地上の平和』を公布してから約2カ月後に神のもとに召されました。
 その跡を継いだ教皇パウロ6世は、「開かれた教会」をめざした公会議を全うさせ、その理念に基づく教会改革の実施に取り組み、その一環として、世界代表司教会議(シノドス)を招集され、今年もシノドス第15回通常総会「若者、信仰、そして召命の識別」をテーマで行われています。「旅する教皇」といわれたパウロ6世は「初めて」づくしの教皇で、初めて5大陸をめぐり、初めて飛行機を利用した教皇となり、初めて聖地エルサレムに足を踏み入れた教皇にもなられました。
 実は、今日(10月22日)は聖ヨハネ・パウロ2世教皇の記念日で、小聖堂でミサを捧げました。ポーランド出身で、38歳でクラクフの補佐司教に任命された。また、第2バチカン公会議に定期的に出席し、『現代世界憲章』編纂に、重要な役割を果たされました。
1981年、日本に初めて来られた同教皇は、広島で「戦争は人間のしわざです」「戦争は死です」と平和メッセージを伝えられ、核兵器の廃絶を訴えられました。1978年~2005年の26年の在位期間中に世界各国を精力的に歴訪し「空飛ぶ教皇」と呼ばれています。
 さて、3人の教皇を聖人に列聖された現教皇フランシスコは「開かれた教会」をめざした第二バチカン公会議の改革路線をさらに推し進め、窓を開けるだけでなく、教会の宣教の変革のために「出向いて行く教会」(福音の喜び20)を求めています。2013年にヨハネ23世と同じ76歳の高齢で教皇に選任された時、フランシスコの名前を名乗り、メディアに対しての初の会見で、「私は貧しい人々による貧しい人々のための教会を望む」と語られた。歴代教皇と同じく他宗教との対話を推し進められだけでなく、回勅「ラウダート・シ」で、アッシジの聖フランシスコをエコロジーの最高の模範と称え、共に暮らす家(地球)を大切にと呼びかけておられます。